ピッチサイドから見たBASEの5年半 vol.3 ~金髪監査役

ピッチサイドから見たBASEの5年半 vol.2 ~罫線も数字も無い棒グラフ からの続き
 

金髪監査役とCOO

2014年GW明け、BASEはGlobal Brain(GB)から3億円の資金調達を実施したと発表した。これを受けて、GBから深山さんが取締役に就任し、僕は監査役に就任することとなった。


そして元ペパボの進さんがCOOとしてBASEに参画することになった。その時のTHE BRIDGEの記事で進さんはこのようなコメントを出している。

「まだ調整中ですが鶴岡さんには外向けの活動をやってもらいながら、私は社内向けのことをやることになると思います。スピードを上げるための組織作りやマーケティング、カスタマーサポートなどですかね」

この通りで、プロダクト面や対外的な活動は鶴岡さん、社内体制構築は進さんといった具合に進んでいった。進さんとはペパボ時代に福岡で一度だけお話したことがあっただけであったが、年齢も近いし、長年同じ業界にいた者同士ということで、BASE参画後はちょくちょく雑談をするようになった。
 
とある日の進さんとの雑談の中で、ふと鶴岡さんの話になった。進さんが「外から見てたよりも大物だね」と言ったのを覚えている。まさに僕も同感で、鶴岡さんの近くで働くようになって、彼の優秀さや存在感の大きさをひしひしと感じていた。これは大社長の器だ…と。優秀さで言うと、鶴岡さんは成長力、吸収力に優れているように感じた。最初はわからなかったことが、次に会う時はわかるようになっていて、その次に会う時はさらに知識が深くなっている。存在感で言うと、当時は鶴岡さんがイベントなどでオフィスにいない時、社内がふわふわしてしまっていた。締まりがないというか。メンバーみんなが鶴岡さんを見ていた感じ。
 
 

田中さん

家入さんは「スタートアップにとって広報は重要であり、できることなら初期から入れた方が良い」と常々言っている。その教えを守ってか、鶴岡さんも渋谷移転前後くらいから広報担当者を探していた。そんな中、SUDAXさんからのパスで田中さんという方が広報として入社することになった。
 
田中さんは前職では堅いジャンルの大人スタートアップで広報をしてたので、入社直後はBASEのカオスな雰囲気に少し戸惑っているように見受けられた。馴染めるかな…とちょっとだけ心配な部分もあった。話してみると、とても真面目なんだけど、掘り下げていけば「面白キャラ」になるんじゃないかと。みんなも「田中さんって大人だけど面白い人なんだ」とわかれば自然と近寄ってくれるんじゃないかと思って、積極的に田中さんをイジっていくことにした(内山さんに対してもそうだけど、真面目そうな人に対してかまわずイジっていき、面白い感じにしていくのはわりと得意だと自負している)。イジった効果かどうかはわからないが、こちらが心配するまでもなく、すぐに田中さんとBASEのみんなは馴染んでいった。
 

(社内でかき氷を作る田中さんと内山さん)
 
スタートアップメディアとの向き合い方などに少し悩んでいて、相談を受けたりもしたが、田中さんのおかげでメディア掲載も増えたし、これまでアプローチできなかった媒体などでもBASEが取り上げられるようになった。
 
 

窓際の監査役席

3月の段階ではワンフロア使うほどではなかったために、一部をEVがシェアオフィスとして使用していたが、夏頃にはいっぱいになったために、同じ新大宗ビル3号館の7階にEVシェアオフィスは移動し、5階は正真正銘BASE独立オフィスとなった。CTOとしてえふしんさんが正式に加入したのもこの頃。
 
BASEオフィスの端っこの窓と棚の間の隙間をコッソリと占拠し、そこを「監査役席」として使うようになった。夏秋は快適だが、季節が冬にさしかかるに連れて、寒さがヤバくなっていき、窓や壁にダンボールで何重にも壁を作って、何とか寒さをしのいだ。


(「べるお小部屋」とはHive Shibuyaにある、僕が常駐している部屋のこと。かつてのBASE社の会議室)
 
「物置の裏の隙間」みたいな場所だったが、意外と落ち着く場所であり、僕がいない時にはビックボがこっそりと使用したりしてた。また、オフィスオアシスの置き場付近でもあったので、定期的にメンバーがやってくるので、おしゃべりしたりして交流を深めるのにも役立った。メンバー息抜きの場としても機能したかもしれない。
 

(「監査役席」に遊びにきた鶴岡さんとちゃんこ
 
秋にはついにショップ開設10万店舗を越え、12月には主催イベント『ネットショップフェスタ』を開催するなど、打ち手のスピードと規模感が上がってきた。ネットショップフェスタには僕も受付スタッフ(誘導係)として参加しました。監査役席もでき、BASEオフィスにいる時間も増え、「BASEの人」感が増してきたのがこの頃。今でも「大柴さんはBASEの役員やられてるんですよね?」と言われることもある。
 

(こっそり「監査役席」で作業するビックボ)
 
 
 
【ピッチサイドから見たBASEの5年半】
Vol.1 家入さん達がまた何か始めた
vol.2 罫線も数字も無い棒グラフ
vol.3 金髪監査役
vol.4 賽は投げられた
vol.5 ちゃんこと神宮司
vol.6 歪みと混沌の闇
vol.7 創業の地への凱旋
vol.8 上場、そして物語は第2章へ

2019/11/07 

ピッチサイドから見たBASEの5年半 vol.3 ~金髪監査役