競馬有識者による昨年のPOG結果を振り返って


 
年末年始に「ザ・POGドラフト会議2017-2018」という動画を見た。有識者がどんな馬を指名したのかなぁとダラダラ見てたわけだが、正直まだ結果が出ていないので判断がつきにくい。それよりも冒頭で紹介されていた昨年(2016-2017)のPOGの結果が気になり調べてみたんだけど、みんなさすがにすごい。
 
以下ざっと2016-2017の結果を列記してみます。
 
須田鷹雄(競馬評論家)
牡馬1位 トゥザクラウン(父キングカメハメハ 母トゥザヴィクトリー)5戦2勝 2,206万円
牡馬2位 ヘリファルテ(父ディープインパクト 母シユーマ)4戦3勝 2,300万円
新種牡馬 ソウルスターリング(父Frankel 母スタセリタ)9戦5勝 2億7,717万円 オークス、阪神JF
牡馬3位 ザウォルドルフ(父ディープインパクト 母ウィーミスフランキー)10戦1勝 445万円
牡馬4位 アルアイン(父ディープインパクト 母ドバイマジェスティ)8戦4勝 2億2,505万円 皐月賞
牡馬5位 ヘルデンレーベン(父ヴィクトワールピサ 母メイキアシー)11戦1勝 731万円
牝馬1位 フローレスマジック(父ディープインパクト 母マジックストーム)8戦1勝 4,812万円
牝馬2位 ミリッサ(父ダイワメジャー 母シンハリーズ)7戦3勝 4,739万円
牝馬3位 ディヴァインハイツ(父ハーツクライ 母ドバウィハイツ)4戦1勝 700万円
大穴血統 ライバーバード(父The Factor 母Broadway Lullaby)10戦1勝 1,030万円
 
木村拓人(「デイリー馬三郎」取材担当)
牡馬1位 モクレレ(父ディープインパクト 母アパパネ)7戦1勝 950万円
牡馬2位 レイデオロ(父キングカメハメハ 母ラドラーダ)7戦5勝 4億9,882万円 日本ダービー
新種牡馬 デコラス(父タートルボウル 母ルミナスハッピー)14戦2勝 1,410万円
牡馬3位 ダイワキャグニー(父キングカメハメハ 母トリプレックス)7戦4勝 6,992万円 キャピタルS
牡馬4位 ベストアドバンス(父ヴィクトワールピサ 母ジェイズジュエリー)1戦0勝 0万円
牡馬5位 レジェンドセラー(父ルーラーシップ 母トップセラー)12戦4勝 6,688万円
牝馬1位 エディフィス(父ステイゴールド 母シーズオールエルティッシュ)10戦2勝 42万円
牝馬2位 アズールムーン(父Malibu Moon 母ターシャズスター)8戦2勝 1,833万円
牝馬3位 キャナルストリート(父マンハッタンカフェ 母フィラストリート)5戦1勝 1,240万円
大穴血統 キャッチヒストリー(父アーネストリー 母エクスキタテヤマ)7戦2勝 37万円
 
栗山求(血統評論家)
牡馬1位 ヴァナヘイム(父キングカメハメハ 母グルヴェイグ)5戦1勝 3,856万円
牡馬2位 アドミラブル(父ディープインパクト 母スカーレット)5戦3勝 1億2,407万円 青葉賞
新種牡馬 カラル(父ルーラーシップ 母ナスカ)9戦1勝 994万円
牡馬3位 オーシャンセブン(父ディープインパクト 母ロリーフォードリー)8戦0勝 593万円
牡馬4位 サトノクロニクル(父ハーツクライ 母トゥーピー)10戦3勝 1億891万円 チャレンジC
牡馬5位 ムーヴザワールド(父ディープインパクト 母リッスン)6戦2勝 3,316万円
牝馬1位 コロナシオン(父キングカメハメハ 母ブエナビスタ)7戦1勝 1,293万円
牝馬2位 キャリコ(父ディープインパクト 母モシーン)5戦0勝 50万円
牝馬3位 パールズシャイン(父ディープインパクト 母スペリオルパール)3戦0勝 180万円
大穴血統 スリーミスヨハネス(父ヨハネスブルグ 母ラビアンローズ)9戦1勝 700万円
 
井内利彰(競馬ライター)
牡馬1位 ダブルバインド(父ディープインパクト 母ラッシュラッシーズ)5戦0勝 675万円
牡馬2位 フュージョンロック(父ステイゴールド 母シャピーラ)6戦1勝 930万円
新種牡馬 ルパルク(父タートルボウル 母グランパドドゥ)8戦2勝 415万円
牡馬3位 ビッグディザイア(父キングカメハメハ 母レッドディザイア)4戦1勝 500万円
牡馬4位 インヴィクタ(父ハービンジャー 母ラスティングソング)5戦2勝 2,203万円
牡馬5位 モンドキャンノ(父キンシャサノキセキ 母レイズアンドコール)9戦2勝 8.601万円 京王杯2歳S
牝馬1位 レッドオルガ(父ディープインパクト 母エリモピクシー)4戦2勝 1,792万円
牝馬2位 ジュンテオドーラ(父ディープインパクト 母アートプリンセス)12戦1勝 1,555万円
牝馬3位 アカカ(父クロフネ 母クイーンカアフマヌ)5戦1勝 500万円
大穴血統 ベルウッドカペラ(父キンシャサノキセキ 母スイートカルタゴ)18戦0勝 250万円
 
池江泰郎(元調教師)
牡馬1位 サトノアーサー(父ディープインパクト 母キングスローズ)8戦2勝 6,872万円
牡馬2位 サトノヴィクトリー(父ステイゴールド 母ジョコンダII)5戦1勝 575万円
新種牡馬 ホウオウドリーム(父ルーラーシップ 母メジロドーベル)8戦3勝 3,225万円
牡馬3位 ジェニアル(父ディープインパクト 母サラフィナ)4戦1勝 550万円
牡馬4位 サトノポラリス(父ディープインパクト 母モアザンベスト)2戦0勝 0万円
牡馬5位 ダノンオブザイヤー(父ディープインパクト 母レディジョアン)8戦1勝 1,140万円
牝馬1位 ヴィニー(父ディープインパクト 母コケレール)3戦1勝 575万円
牝馬2位 ミスエルテ(父Frankel 母ミスエーニョ)7戦2勝 4,742万円 ファンタジーS
牝馬3位 アオイテソーロ(父ルーラーシップ 母リアルナンバー)11戦1勝 1,615万円
大穴血統 シェアマインズ(父トーセンホマレボシ 母カイゼリン)16戦0勝 3万円
 
2016-2017の模様はこちら→1/2/3/4/5/
まず何と言っても昨年のダービー馬レイデオロを見事に指名した「デイリー馬三郎」の木村さん。通常POGってダービーまでの結果で争うと思うんだけど、ダービー馬を指名したあたり神がかってる。レイデオロ以外ではキャピタルS(OP)を制したダイワキャグニー、12月のオリオンS(1,600万下)を制してオープン馬になったレジェンドセラーあたりを指名しており、アベレージもなかなか。
 
おなじみ須田鷹雄さんもすごい。阪神JF、オークスを制したソウルスターリング、皐月賞を制したアルアインと2頭のクラシックホースを指名。牝馬1位指名のフローレスマジックもオークス6着の他、重賞で2着1回、3着2回と堅実に賞金を稼いでいる。
 
栗山求さんは青葉賞を制したアドミラブル、チャレンジCを制したサトノクロニクルと2頭の重賞馬を指名し、井内利彰さんは渋く京王杯2歳Sのモンドキャンノを指名、獲得賞金で最下位となった池江元調教師もソウルスターリングとともにFrankel旋風を巻き起こしたミスエルテを指名。
 
みんな重賞馬を指名してて単純に凄い。購入価格を気にせずに指名できるとは言え、重賞馬を選択できるってのは簡単なことじゃない。さすが有識者と言ったところ。
 
しかし、3歳シーズンが終わった段階で中央未勝利→地方転厩の馬もちらほらいて、やはり走ってみないとわからないものだなぁと。だからこそ、10頭の指名馬の中から重賞馬を出すってのは簡単じゃないよって話。しかもG1馬まで指名するってまじやばい。
 
 
それをふまえて今年(2017-2018)の指名馬を見てみる。
 
須田鷹雄
牡馬1位 アドマイヤキング(父キングカメハメハ 母アドマイヤテンバ)2戦1勝 700万円
牡馬2位 ヘンリーバローズ(父ディープインパクト 母シルヴァースカヤ)2戦1勝 780万円
新種牡馬 ウィキッドアイズ(父オルフェーヴル 母ウィキッドリーパーフェクト)2戦0勝 0万円
牡馬3位 シエラネバダ(父ディープインパクト 母ミスパスカリ)2戦1勝 500万円
牡馬4位 サトノソルタス(父ディープインパクト 母アイランドファッション)1戦1勝 700万円
牡馬5位 クナルゲニアール(父ハーツクライ 母カリ)未出走
牝馬1位 ダノンチェリー(父ディープインパクト 母ウィーミスフランキー)2戦0勝 0万円
牝馬2位 プリュス(父ヴィクトワールピサ 母サラフィナ)2戦1勝 500万円
牝馬3位 ロールモデル(父ディープインパクト 母インランジェリー)未出走
大穴血統 カレンヒップスター(父ショウナンカンプ 母ディオベルタ)1戦0勝 0万円
 
木村拓人
牡馬1位 フラットレー(父ハーツクライ 母リッチダンサー)3戦1勝 860万円
牡馬2位 レイエンダ(父キングカメハメハ 母ラドラーダ)1戦1勝 700万円
新種牡馬 レピアーウィット(父へニーヒューズ 母ランニングボブキャッツ)4戦1勝 1,055万円
牡馬3位 グローリーヴェイズ(父ディープインパクト 母メジロツボネ)2戦1勝 1.105万円
牡馬4位 バレリオ(父ステイゴールド 母リリウム)1戦1勝 700万円
牡馬5位 テトラルキア(父ハーツクライ 母マリアロワイヤル)1戦0勝 0万円
牝馬1位 ノチェブランカ(父ディープインパクト 母ナイトマジック)3戦0勝 0万円
牝馬2位 ダノンポピー(父ダイワメジャー 母マネーキャントバイミーラヴ)1戦0勝 70万円
牝馬3位 ミッキーパパイア(父ルーラーシップ 母スターシンフォニー)2戦0勝 0万円
大穴血統 ロンギングファロー(父ストロングリターン 母ピュアマインド)1戦0勝 280万円
 
栗山求
牡馬1位 グレートウォリアー(父ディープインパクト 母プラウドスペル)未出走
牡馬2位 リシュブール(父キングカメハメハ 母ラストグルーヴ)3戦1勝 980万円
新種牡馬 アプルーヴァル(父オルフェーヴル 母ファシネイション)2戦0勝 0万円
牡馬3位 シンハラージャ(父オルフェーヴル 母シンハリーズ)1戦0勝 110万円
牡馬4位 ブレイニーラン(父ディープインパクト 母プチノワール)2戦0勝 380万円
牡馬5位 キタノコマンドール(父ディープインパクト 母ベネンシアドール)1戦1勝 700万円
牝馬1位 サラキア(父ディープインパクト 母サロミナ)未出走
牝馬2位 ミカリーニョ(父ハーツクライ 母ミスエーニョ)2戦1勝 780万円
牝馬3位 シエラ(父オルフェーヴル 母ゴールデンドックエー)1戦0勝 180万円
大穴血統 マイネルマンデリン(父ジョーカプチーノ 母セラミックガール)未出走
 
井内利彰
牡馬1位 ピボットポイント(父ディープインパクト 母ペンカナプリンセス)2戦0勝 270万円
牡馬2位 フランツ(父ディープインパクト 母ロベルタ)2戦1勝 772万円
新種牡馬 ミッキーワイルド(父ロードカナロア 母ワイルドラズベリー)1戦1勝 700万円
牡馬3位 タガノプレトリア(父ヨハネスブルグ 母タガノティアーズ)7戦1勝 1,125万円
牡馬4位 アメイジングセンス(父ハーツクライ 母ヴォルドニュイ)3戦0勝 50万円
牡馬5位 リンガラポップス(父キンシャサノキセキ 母クラシックローズ)5戦1勝 920万円
牝馬1位 スターリーステージ(父ディープインパクト 母スターアイル)4戦1勝 1,080万円
牝馬2位 シャンデリアスピン(父ノヴェリスト 母ダンスインザムード)3戦0勝 0万円
牝馬3位 ブライトパス(父ロードカナロア 母ルミナスポイント)未出走
大穴血統 サウンドキララ(父ディープインパクト 母サウンドバリアー)2戦1勝 955万円
 
池江泰郎
牡馬1位 シルヴァンシャー(父ディープインパクト 母アゼリ)2戦1勝 850万円
牡馬2位 サトノグロワール(父ディープインパクト 母シャムロッカー)1戦0勝 280万円
新種牡馬 トゥザフロンティア(父ロードカナロア 母トゥザヴィクトリー)3戦1勝 1,344万円
牡馬3位 サトノエターナル(父ディープインパクト 母ソーメニーウェイズ)1戦0勝 280万円
牡馬4位 トーセンブレイヴ(父キングカメハメハ 母ギーニョ)4戦0勝 275万円
牡馬5位 ミッキーセレブ(父ディープインパクト 母レディジョアン)未出走
牝馬1位 マルケッサ(父オルフェーヴル 母マルペンサ)1戦0勝 0万円
牝馬2位 シーリア(父キングカメハメハ 母シーザリオ)2戦0勝 355万円
牝馬3位 ソシアルクラブ(父キングカメハメハ 母ブエナビスタ)2戦1勝 700万円
大穴血統 オールフォーラヴ(父ディープインパクト 母レディアルバローザ)未出走
 
 
いまのところ重賞勝ち馬はゼロ。去年で言えばソウルスターリング、ミスエルテ、モンドキャンノが重賞を勝ってたので、それと比べると今年は今ひとつの成績。とは言え、これからクラシックに向けて台頭してくる指名馬もいるだろう。須田さん牡馬2位のヘンリーバローズは大物感ある。
 
個人的に注目してるのは木村さんの上位指名馬たち。
 
牡馬1位のフラットレーはこないだのホープフルSで本命にしたくらい注目してるので頑張って欲しい(ホープフルSは惨敗したけど)。牡馬2位のレイエンダは7月に新馬勝ちしたあと骨折してしまったっぽいが、ダービー前くらいに復帰するとかいう情報がネットにあるので、気長に見守りたいところ。
 
「新種牡馬」の項目で指名したレピアーウィット。これまで4戦1勝、2着2回という馬ではあるが、デビューから3戦芝を使われて惜敗していたが、前走初ダートで2着に0.9秒差をつけて圧勝。全兄に朝日杯FS勝ち馬のアジアエクスプレスがいる良血。兄もダートで勝ち上がり、芝もこなしてG1を勝ったが、本質的にはダート馬だったと思うので、レピアーウィットもこのあとダートでどこまでやってくれるか楽しみ。早熟マイラーだとは思うけど。
 
池江さんの(オマケの)「大穴血統」指名馬オールフォーラヴもそろそろデビューしそうで、大物感あるので、オークスに間に合ったりしないかなと見ております。怪物ダノンプレミアムと同厩。期待。

ハイレベルな面々が集う中内田厩舎だが、これからデビューする馬の中にも「期待度の高い3歳馬」がいるという。オールフォーラヴ(牝3歳/父ディープインパクト)だ。スタッフによれば、すでに活躍している厩舎の”同僚”にもヒケをとらないほどの素質がうかがえるそうだ。その様子を関西競馬専門紙のトラックマンが伝える。「『オールフォーラヴはいかにも走りそうな雰囲気を持っていて、典型的な”いいディープ産駒”』とスタッフ。『初戦から勝ち負けできるのではないか』という手応えもつかんでおり、将来性もかなり高そうです」

ダノンプレミアムに続け。気鋭の厩舎から逸材オールフォーラヴが登場(Sportiva)
 
 
そんなわけでダービーが楽しみなんですが、しかし昨年の僕のダービー本命馬カデナはどうしてしまったというのか…あれが母父フレンチデピュティの運命なのか…いや、兄のスズカコーズウェイは5歳で初重賞制覇したし、距離短縮に活路があるんじゃないか?!
 
 

2018/01/08 

競馬有識者による昨年のPOG結果を振り返って