森田るい『我らコンタクティ』を読んでみた

奥さんに『アンダーカレント』を貸したらかわりに貸してくれたのが『我らコンタクティ』。マンガ大賞2018の2位に選ばれたらしいこのマンガ。
 

 
ごく普通の設定のカナエが小学生時代の同級生かずきに遭遇し、かずきの荒唐無稽で壮大な夢に乗っかって物語が進んでいくわけだが、なぜか最初っからかずきの夢が実現すると疑いを持たないのだ。無茶ないかにも「マンガ的」な話なのだが、違和感を持たない。なので、最後まで無茶なストーリーなのに現実感を持って進むことができる。これはなぜなのか?を奥さんと議論したが、一つの仮定が導きだされた。
 
カナエや他のキャラクター、そして小物や町並みなど、わりと普通に描かれている中、かずきだけ少しタッチが違うというか、極端に簡素なタッチで描かれてる。そのギャップが現実と非現実を混乱させ、荒唐無稽な物語に現実感を与えるのではないか?と。
 
ふと『暗殺教室』を思い出した。そしてつげ義春作品も思い出した。リアルな描写と異質で簡素な描写が混在した世界。これが没入感に繋がるのかもしれない。
 
内容に関しては「夢を持つことの大切さ」「童心のすばらしさ」などかなぁと奥さんに報告したけど、いまひとつ納得されなかった。
 
 

2018/07/22 

森田るい『我らコンタクティ』を読んでみた