17世紀半ばに作られたヨアン・ブラウの「新世界全図」が興味深かった

暇だったので図書館で本を読んでたんですが、こちらの本が面白くて、30分くらい立ち読みしちゃいました。大判の本なので筋肉痛になりました。
 

地図の世界史 大図鑑 GREAT MAPS
 
バビロニアの世界地図や明代の「鄭和航海図」、マテオ・リッチの「坤輿万国全図」、伊能忠敬の「大日本沿海輿地全図」など歴史上の有名な地図を紹介するマニアックな本なのですが、なかでも僕が見入ったのがヨアン・ブラウの「新世界全図」です。
 

wikipedia「初期の世界地図」より)
 
ヨアン・ブラウは1596年生まれのオランダ人の地図学者。彼の父も地図学者であり、ブラウ家はオランダで名の知られた地図学者一家でした。1648年にヴェストファーレン条約を記念して刊行されたのが「新世界全図」。ちなみにヴェストファーレン条約は神聖ローマ帝国からオランダが独立することなどが定められた条約。
 
条約の話は置いといて、ヨアン・ブラウの「新世界全図」のなにが興味をひいたかというと、
・1600年代中盤(日本だと3代将軍徳川家光時代)にこの精度
・それ以前の世界地図の定番であった未確認の空想上の大陸「メガラニカ」がない
というところ。精度の高さと「事実しか載せない」というリアリズムが個人的に刺さった。発見されたばかりのオーストラリアも判明している西部は正確な海岸線が記されてますが、まだ判明されていない東海岸は空白。
※ちなみに上に貼った「新世界全図」は1664年のもの。
 
どうやらヨアン・ブラウの「新世界全図」は東京国立博物館に所蔵されてるようなので、展示されたらぜひ見たいものです。ていうかもっと今年は博物館に行こうと思う。
 
 
帰宅してネットで改めて昔の地図を見てたんですが、本にも掲載されていたマテオ・リッチの「坤輿万国全図」はやはり面白い。
 

wikipedia「初期の世界地図」より。大きなサイズはコチラ
 
大きなサイズの「坤輿万国全図」を見ながら、そこに書かれている地名から現在の地名を連想したり、正確ではない場所を探したり、空想の島を探して、「なぜそこにその空想の島を配置したのか?」を想像するのも楽しいです。
 
 

2018/01/21 

17世紀半ばに作られたヨアン・ブラウの「新世界全図」が興味深かった