今週末は有馬記念。有馬記念ということはもう年末。早いなぁ。
今年の有馬記念はキタサンブラックの引退レースということで盛り上がっています。この数年、ターフを盛り上げ続けたキタサンブラック。優秀の美を飾って欲しいなと思うわけです。馬券は買うかわかりませんが、もし買うならばキタサンから買います。
そんな有馬記念ですが、今年が第62回だそうです。僕が記憶に残ってる最古の有馬記念はあのオグリキャップ奇跡の復活で知られる第35回なので、それから30回近くも有馬記念を見てるんだなぁと驚きます。
有馬記念は数々のドラマを生み、僕も思い出深いレースがいくつかあります。今回は僕が見てきた有馬記念の中でも特に思い出深い3つのレースを紹介します。
【第38回有馬記念 1993年】
前年の秋から競馬をちゃんと見始めた僕ですが、その前年のジャパンカップで海外の並みいる強豪を蹴散らし優勝したのがトウカイテイオー。皇帝ルドルフの初年度産駒であり、無敗の二冠を達成した後に骨折し、5歳(現4歳)で復帰し大阪杯(当時G2)を制するも、その後の天皇賞春、天皇賞秋と惨敗し「終わった」と思われている中でのジャパンカップ制覇は感動させられました。
しかし直後の有馬記念では1番人気ながら11着の惨敗。レース中に筋肉を痛めてしまい、休養に入り、宝塚記念を目標に調整するも今度は骨折が判明。復帰は遅れに遅れ、結局ターフに戻ってきたのは惨敗した有馬記念以来の有馬記念。実に364日ぶりのレース。ぶっつけ本番にしては厳しい舞台。
1993年の有馬記念はクラシックを湧かせたビワハヤヒデが1番人気に推され、この年のジャパンカップを制したレガシーワールド、この年のダービー馬ウイニングチケット、牝馬二冠馬ベガ、ライスシャワー、メジロパーマー、ナイスネイチャとそうそうたるメンバーがそろった。そんな中トウカイテイオーは4番人気に支持された。ちなみに僕はビワハヤヒデを本命に推していた。連対率100%のビワハヤヒデ。この有馬の前には弟のナリタブライアンが朝日杯を制していた。兄も負けられない。
レースはいつものようにビワハヤヒデが前目のベストポジションをキープし、直線で抜け出し押し切る展開。そこにトウカイテイオーが猛然と追込み、かわして勝利。まさかまさかの復活劇に誰もが感動したことでしょう。鞍上の田原も涙を流しながらのヒーローインタビュー。感動しました。
【第58回有馬記念 2013年】
トウカイテイオーの復活から20年。三冠馬オルフェーヴルの引退レースとなった2013年の有馬記念。前年挑戦し、惜しくも2着となった世界最高峰のレース「凱旋門賞」をこの年も再び挑戦し、またしても2着に敗れてしまったオルフェーヴル。傷心のオルフェーヴルがフランスから帰国し、引退レースに選んだのがこの年の有馬記念。
世界トップクラスの実力を誇る一方で、騎手を振り落としたり、コーナーを曲がらなかったりと気性の悪さも一流。そんなとこも人気だったスーパーホースの引退レース。単勝は1.6倍という圧倒的な人気となりました。
レースでは3角からのまくりで先頭で直線に向かったオルフェーヴルがそのままぶっちぎりで優勝。2着に8馬身差の圧勝劇。強い馬が強い勝ち方で勝つというのも競馬の醍醐味であり、まさにそれを体現した最高のレースでした。
僕は渋谷のウインズにて観戦していたのですが、オルフェーヴルがゴール板を通過した後にどこからともなく拍手がおこり、ウインズ全体で拍手が広がっていきました。こんなことは初めての経験で、オルフェーヴルがいかに多くの人から愛されていたんだなぁと実感できた良い体験をしました。
【第35回有馬記念 1990年】
冒頭にも書いたように「僕が覚えてる最古の有馬記念」であるのがこの1990年の有馬記念。オグリキャップ復活のラストランで有名なこのレース。
オグリキャップのこの有馬記念については数多くのメディアで語り尽くされているので、改めてここで書くまでも無いのですが、かいつまんで箇条書きで書くと、
・超マイナー血統、地方競馬出身という非エリート
・笠松競馬で連勝し、中央競馬に移籍し、並いるエリートを次々に撃破
・オーナーが替わったり、その影響か、常識ではあり得ない過酷な出走
・それでも健気に走り続けて賞金を稼ぎまくる
・疲れ果ててスランプ
・「終わった」という評価ながら引退レースで奇跡の復活
と、ドラマよりもドラマな運命を辿ってきた希代のスーパーホースがオグリキャップ。これだけでいかにドラマチックだったのかが想像できるんじゃないかと。
正直「覚えてる最古」と書いたけど、リアルタイムで見たのか記憶が曖昧なんですよ。でも未だにこの最後の有馬記念のレースを見ると目頭が熱くなる。それくらい破壊力のあるドラマなんですよね。
というわけで長々と書きましたが、有馬記念は「好きな馬を買って応援するレース」とも言われているような言われていないような、そんなレースなので、自分の贔屓の馬を応援してみてください。