「2着5回のムーンレイカー、今日も3着と勝てず」で思い出した25年前のあの馬


 
昨日の3歳500万下特別「梅花賞」を予想してたときに、有力馬のジェシー、エタリオウの未勝利戦でともに2着に入っている馬がいるのに気づきました。その馬の名はムーンレイカー。戦績を見てみると5戦して全て2着。そして今日の中京7Rの未勝利戦に出走するっていうんで注目してたんですが、3着。これで 0-5-1-0 です。
 
 
このムーンレイカーのような成績を見ると必ず思い出してしまう馬がいます。今から25年前。彼はデビュー以来 0-5-1-0 という成績(ムーンレイカーと同じ)で未勝利を抜け出せないまま、ダービートライアル青葉賞に出走して、超良血馬ステージチャンプの3着と健闘するなど、未勝利だろうがTRだろうが2、3着にくるという馬でした。
 
オールドファンなら名前が浮かぶでしょう。そう。ロイスアンドロイスです。ウイニングチケットなどと同じトニービンの初年度産駒の一頭で、その成績が示す通り実力は世代トップクラスといって良い程の馬でした。しかし圧倒的に勝ち味に遅い。青葉賞の次走の未勝利戦でようやく初勝利をあげますが、その後も3着2着2着と勝ちきれないまま秋を迎え、セントライト記念で2着に入って本賞金を獲得。そして菊花賞への出走権を得ます。
 
菊花賞で初めて7着と掲示板を外れてしまい、暮れの順オープン冬至Sでも5着と2戦続けて複勝圏内から外れてしまいます。さすがに走り続けた疲れだと思います。
 
5歳(現在で言う4歳)になり1,500万下を2着1着、G3エプソムカップでは8着惨敗してしまいますが、札幌の準オープン「サロベツS」を勝利し再びオープン馬となり、秋のG1戦線に向かいます。しかしこのサロベツSがロイスアンドロイスにとって最後の勝利となるのですが…。
 
オールカマーでビワハヤヒデの3着に粘り込み、迎えた天皇賞秋。大本命のビワハヤヒデが初めて連を外して敗れてしまった(結果引退レースとなった)ことで有名なこのレースでネーハイシーザー、セキテイリュウオーに次ぐ3着に入る大健闘を見せ、改めて実力のあるところを見せました。そして続くジャパンカップへ駒を進めます。
 

(94年ジャパンカップでのロイス君の勇姿)
 
この年のジャパンカップはアメリカのG1を4勝しているパラダイスクリークに注目が集まっていました。日本勢はG1馬がゼロという混戦模様。そんな中、最後の直線で大外を力強く抜け出し「勝った」と思わせる脚を見せたロイスアンドロイス。しかしそこでパタっと止まってしまい、内のマーベラスクラウン、パラダイスクリークに再び抜かれてしまい、結局いつものように3着でゴール。大健闘ではありますが、不甲斐なさも感じるレースでした。
 
ロイスアンドロイスはここで燃え尽きてしまったのか、翌年、翌々年は全くいい所が無いまま、放牧中に腸捻転を起こして亡くなってしまいました。大きなタイトルは取れませんでしたが、善戦を続けるも勝ちきれないレースっぷりで「記憶」に残る馬だったなぁと。
 
 
話を戻すと、ムーンレイカーはまたしても勝てませんでしたが、実力はあるので、きっかけ一つで連勝するくらいの馬じゃないかと思ってます。父は個性派のオルフェーヴル。息子であるムーンレイカーの「記憶」に残る走りを今後も注目していきたいと思います。
 
 

2018/01/28 

「2着5回のムーンレイカー、今日も3着と勝てず」で思い出した25年前のあの馬